大腸菌
と死ぬこともある菌というイメージでしょうか。
焼肉酒家えびすでの集団食中毒事件は、記憶に新しいところです。
腸管性出血性大腸菌O-111に集団感染し、死者も出ましたから
。
そんな危ないイメージのある大腸菌ですが、皆さんのお腹にもいる
普通の菌です。
腸内細菌叢の大事な構成要因であり、みんなの健康と腸管免疫を正
常に保つうえで、無くてはならない菌です。
だから、そんなに嫌いにならないでください、ってついでに僕も嫌
いにならないでください。
道付近にいる様々な菌と一緒に赤ちゃんのお腹の中に入ってきて、
定着します。
最初に入ってきた菌は、免疫寛容といって排除するための免疫シス
テムが作動することなく、定着してくれます。
この時に感染するのが、腸管出血性大腸菌O-111だったり、O
-157だったりしても、その大腸菌は免疫寛容を受け、定着し、
病原性は示しません。
実際、中国人は腸内定着菌として、O-157の保菌率が高いこと
が知られています。
大腸菌は、日和見菌として健康なときは特に病原性を示さないが、
特に有益でもないと考えられてきました。
しかし、現在はビタミンB群やビタミンC、短鎖脂肪酸の合成にも
関与しているという事が分かり、にわかに注目されています。
なんだ、大腸菌って結構良い奴だなあって思うでしょ、って僕も結
構良い奴でしょ。
そして何より重要な働きは、腸内定住菌である大腸菌が、他の感染
性大腸菌から体を守ってくれているという事です。
前に乳酸菌のところで、外から入ってきた乳酸菌は定着することな
く出ていくという話をしましたが、大腸菌も定住菌がいる限り他の
大腸菌が住み着くという事はありません。
他の病原性大腸菌が入ってくると、大腸は下痢を起こして大腸菌を
排出しようとします。
だから、病原性大腸菌に感染すると、下痢をするのです。
さらに、みんな大好きセロトニンですが、実はセロトニンの90%
は腸管に存在します。
その腸管のセロトニン合成にも、大腸菌は関わっているといわれて
います。
全然日和見じゃなくて、積極的に健康に貢献してくれているとさえ
言えますよね。
そんなこといっても、病原性大腸菌で死ぬ人だっているでしょ、っ
てお思いの方。
確かにそれはそうですね。
でもそれは、腸管免疫と腸内細菌叢の相互作用による感染防御シス
テムが正常に働かないことでおこる悲劇なんです。
子供や老人などは免疫力が低いため、細菌に対する免疫が十分に働
けない場合があります。
だから、子供や老人にユッケなんか食わしちゃいけないんです。
また、こないだの食中毒事件で死んだ人の直接の原因は、大腸菌感
染では、実は無いんです。
では何が原因かというと、医者が処方した、抗生物質なんです。
抗生物質が病原性大腸菌の細胞壁を破壊し、大腸菌の内部にあった
内毒素が大量に放出されたことによる、エンドトキシンショックに
よって死亡したのです。
医者というやつは、本当に余計なことしかしませんね。
あっ、歯医者も似たようなものだった。
だから、下痢になったらそのまま菌を流していれば良かったんです
。
お腹が痛いのはつらいでしょうが、死ぬよりはましでしょう。
そんなこんなで、最後まで読んでいただいた方は、きっと大腸菌の
ことが好きになったことでしょう。
えっ、僕のことも好きになったって!?
それは、この文章に隠された、サブリミナル効果のせいかもしれま
せん。
投稿日:2013年2月27日 カテゴリー:予防歯科, 院長ブログ