医療法人社団楡樹会 稲毛エルム歯科クリニック

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ビオチン


ビタミンB群の一つであるビオチンは、欠乏することで様々な疾患を引き起こします。特に有名なのが、小児のアトピー性皮膚炎です。もちろんアトピーの全てがビオチンだけで説明できるわけではありません。ビオチンの欠乏がなぜ起こるのかについて、説明していきます。

まずビタミンB群ですが、現在は8種類あります。ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチンです。この内ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチンは従来欠乏症を起こすことが稀と考えられたため、ビタミンBという名称が外れました。しかし現在では、これらもまた欠乏症を起こすことが知られています。

ビオチンが欠乏症を起こさないとされる理由は、このビタミンが腸内細菌の産生によって、主に供給されているからです。食べ物からの摂取によらないために、欠乏症を起こさないと従来は考えられてきました。しかし腸内細菌叢が乱れ、善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れることによって、ビオチン欠乏が起こることがあります。

特に小児のビオチン欠乏が起こるメカニズムには、複数の因子が関与しています。まず出産が自然分娩ではなく、帝王切開だった場合に、母親からの腸内細菌叢が赤ちゃんに引き継がれない場合があります。これによって本来定着するべき乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌の定着が起こらないために、ビオチン欠乏が起こる場合があります。

また、出産後の母乳には、抗菌物質としてラクトフェリンという物質が含まれています。このラクトフェリンは細菌から鉄を奪う事で細菌の増殖を防ぐ働きを持っています。悪玉菌は鉄要求性が高いため、ラクトフェリンは悪玉菌に選択的に作用する抗菌物質といえます。このため赤ちゃんは母乳を摂ることによって、善玉菌優位の腸内環境になるのです。

ところがラクトフェリンの活性中心は鉄でできていますから、母親が鉄欠乏である場合、母乳中に十分な量のラクトフェリンが含まれません。こうなると赤ちゃんの腸内環境が善玉菌優勢でいられずに、悪玉菌の異常増殖が起こってしまいます。これが腸内環境を悪化させ、ビオチン欠乏になってしまうのです。鉄は子供の不正咬合発症の因子になるだけでなく、欠乏することで様々な悪影響を子供に与えるのです。

このように、本来欠乏しないはずのビオチンが欠乏することによって、小児のアトピー性皮膚炎が発症するのならば、その発症メカニズムを理解することで小児のアトピーもまた、予防可能になるのです。僕が普段から食生活の重要性を説いている理由の一端が、お分かりいただけたでしょうか。


投稿日:2013年11月18日  カテゴリー:予防歯科, 院長ブログ

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