砂糖を止めたら
僕は日ごろから、「砂糖は最強の麻薬であり毒物」と言っているのですが、多くの人にとってはピンと来ないようです。タバコやアルコールと比べてもその依存性は強力で、かつ体も心も破壊する恐ろしいものである、という認識を持ってもらうのが非常に大変です。講演会などでももっぱら砂糖の恐ろしさについて語っていますが、伝わりきっていないかもしれません。
これがタバコなら、体に良くないことくらいは誰でも知っていますから、タバコを止めさせるためには、止めるための方法を指導すれば良いのです。ところが砂糖だと、なぜ止めなきゃいけないのかから理解してもらう必要があるため、なかなか困難です。何とかかんとか止めなきゃいけないことを理解させても、タバコ以上に強力な依存性を持つ麻薬ですから、分かっちゃいるけど止められないってなっちゃいます。本当に砂糖は厄介ですね。
これだけ世の中に蔓延している砂糖ですが、
実際に砂糖を止めてみると、自分の変化が感じとれます。体の変化もさることながら、心の変化もまた、大きく変わります。砂糖が抜けて初めて、砂糖というものがいかに心や体に影響を与えていてのかを実感できるのです。
特に病気を抱えていなくても、何となくだるいとか、疲れやすい、イライラする、集中できない、日中眠くなる、夜眠れない、などなど、病気というほどではないけど体調が悪いと思っていた症状の多くが、砂糖を止めるだけで軽減したり、無くなったりします。気分のムラが無くなり集中力が増し、積極的になって行動的になる人が多いです。そして砂糖が抜けた変化を実感できた人は、二度と砂糖を摂ろうとは思わなくなって、初めて砂糖中毒から脱却できるのです。
一方で砂糖の摂取を徐々に減らす、というやり方で砂糖を止めることは非常に困難です。これは喫煙者が徐々にタバコを吸う本数を減らしていって、禁煙することが上手くいかないのと同じ理由です。
甘い物を徐々に減らしていくと、普段から甘い物のことを考える時間が増え、甘い物に対する欲求がさらに増していきます。我慢をいつまでも続けることは困難であり、やがて我慢しきれなくなって甘い物をたくさん摂ってしまいます。これがいわゆるリバウンド。タバコも徐々に本数を減らすとリバウンドでかえって吸う本数が増える、というのと同じですね。
だから僕は普段から、砂糖は嗜好品などでは決してなく、れっきとした麻薬であると断言しているのです。麻薬であるという認識が甘いから、徐々に減らしていこうなんて甘い考えにとらわれてしまうのです。しかし、砂糖は思考も甘くしてしまいますから、こんな甘い考えを持ってしまうのも、脳が砂糖に支配されている証拠なのかもしれませんね。
投稿日:2014年10月24日 カテゴリー:予防歯科, 院長ブログ