砂糖の身体的依存
砂糖は麻薬です。麻薬ですから依存性があります。この依存性には精神的依存と身体的依存とがあります。精神的依存は、まあいわば「未練」ですから、精神的依存が強い人は、未練がましい、女々しい人間だということです。
砂糖の身体的依存は想像以上に強く、これに精神的依存が重なって、多くの砂糖依存者が砂糖を断ち切れないでいます。当クリニックではもちろん、断糖のためのコンサルティングも行っています。しかし、情報は惜しみなくタダで与えてきましたから、断糖のテクニックも教えましょう。
砂糖を止めたい、でも止められない、という人には、まずは砂糖の身体的依存がどれほど強力であるかを知ってもらいます。身体的依存があることが分かれば、砂糖が麻薬であるということが理解できるからです。多くの砂糖中毒者は砂糖を麻薬とみなすことができず、ゆえに麻薬から手を切れないでいます。麻薬
であると認識し、その恐ろしさを知ることで、砂糖を絶たねばならないと本気で自覚するのです。
というわけで、砂糖が止められない人には、まず朝起きて最初の食事(普通は朝食)で、ドーナツ2~3個とオレンジジュースやコーラなどの甘いジュースを飲んでもらいます。もちろん、砂糖がたっぷり入った奴です。
そしてその後、最低5時間は水以外の飲食を一切禁止します。そしてその間、体調の変化をノートやメモ帳などに、逐一書き留めていってもらいます。途中水以外の飲食を禁止するのは、砂糖による体調変化に影響を与えないためです。
普通は眠くなったり、だるくなったり、吐き気がしたり、イライラしたり、そわそわしたり、冷や汗をかいたり、気分がくるくる変わったり、のどが異常に乾いたり、すごくおなかが空いたり、無性に何かつまみたくなったり、甘い物が猛烈に欲しくなったりします。人によっては起きていることができず、寝てしまったりします。
このような体調変化が、砂糖の身体的依存です。この体調変化の苦痛から逃れようと、甘い物を猛烈に求めます。これは喫煙者がタバコを吸い終わって、一時間くらい経った時の状態に良く似ています。喫煙者、特にヘビースモーカーがタバコを止められないのは、この苦しさから逃れたいと考えるからです。同様に砂糖も、この体調変化の苦しみから逃れたいと、脳が無意識に砂糖を欲することによって、依存性を発揮するのです。
僕のように甘い物はもちろん、糖質自体をほとんど摂らないで生活していると、このような不快な体調変化が無くなり、一日を平穏に暮らせるようになります。これが当たり前になってしまうと、糖質の体調変化に敏感になって、逆に糖質を避けるようになります。
砂糖がタバコより止めさせるのが難しいのは、麻薬であることを自覚させづらいからなのですが、一度砂糖の身体依存を実感すれば、麻薬であることがはっきりと認識できるでしょう。
ちなみに、タバコの身体依存(禁断症状)は、喫煙後一時間がピークだそうですが、砂糖の禁断症状は数日続きます。禁断症状から完全に脱するためには、一週間はみておいた方が良いかもしれません。これゆえにタバコよりも止めさせるのが難しいのですが、止めることは可能です。自分では無理だと思う方は、当クリニックで断糖を行ってください。
投稿日:2015年4月17日 カテゴリー:予防歯科, 院長ブログ