白くてふわふわのパンは、19世紀に生まれました。それまでのパンは全粒粉を使った黒くて硬いパンが一般的でした。19世紀にワットが蒸気機関を発明し、蒸気の力によって巨大なローラーを回して効率的に小麦からふすまを取り除くことができるようになって、精白小麦粉が作られるようになりました。
白くてふわふわのパンを作るためには、精白小麦粉のほかに、もう一つ必要なものがあります。それは、砂糖です。
自家製のパンを焼いたことがある人なら知っているでしょうが、パン生地には必ず砂糖を加えます。これは、パン生地に甘みを付けるためではありません。イースト菌は砂糖が大好物であり、イースト菌を効率よく繁殖させ、発酵させるために砂糖を加えているのです。イースト菌は砂糖がある環境では、自分が増殖すると同時に、他の菌の繁殖を抑えます。結果、イースト菌だけが増殖することで、腐敗することなく美味しいパンが出来上がるのです。
このようにイースト菌=カンジダ菌は、砂糖が存在する環境では他の菌の繁殖を抑えつつ、自分が異常繁殖するようになります。ちなみにリーキーガットが引き起こす疾患として、クローン病がありますが、クローン病になると栄養吸収が低下するため、通常治療においては栄養補助食品を用います。栄養補助食品として有名なエンシュア・リキッドには、一缶250ml中、34.3gもの砂糖が加えられています。これじゃあクローン病が良くなるはずもありませんよね。
砂糖を止めることは単にむし歯の予防に必要なだけでなく、他の全身的、精神的なさまざまな疾患の予防にもつながるのですから、予防歯科の本質はフッ素塗布や歯磨き指導、定期検診やクリーニングなんかじゃ決してないという事を、多くの人にご理解いただきたいと思います。