予防食と治療食
前に代替医療は詐欺の世界だと述べましたが、西洋医学もまた詐欺の世界であり、そこに救いはありません。病気を治すことなく治療し続け、治療費を取り続けることが今の西洋医学の基本スタンスとなっている以上、西洋医学が“医猟ビジネス”と呼ばれても何の違和感もありません。
結局自分や自分の大切な人を守るためには、病気にならないようにするしかないのです。病気の予防こそが本質的、かつ最良の選択肢となります。しかし、病気の予防は何か特別な事をすることではありません。医者や歯医者で定期検診や人間ドックを受けることは、予防に全く関係ありません。健康食品やサプリメントもまた、予防に必要なものでは全くありません。なぜなら病気の予防とは、病気の原因を取り除くこと、人間本来の生き方を実践することに他ならないからです。
僕は歯科医師です。歯科医師の立場から、予防歯科実践法として「先住民食」を考案しまし
た。先住民食はむし歯、歯周病、不正咬合などの歯科疾患の予防のために考案された食事法です。そしてまた、人間本来の健康を得るための食事法でもありますから、肥満、高血圧、糖尿病、肝臓病、腎臓病、心疾患、脳血管障害、ガン、認知症、アレルギー、リウマチ、アトピー、喘息などなど、様々な慢性疾患の予防にもまた効果があります。
先住民食の実践には、何か特別な食品や医薬品が必要であるというわけではありません。皆さんが普段入手可能な食材で、十分実践可能です。特別な努力とか、生活上の特別の配慮などもまた、一切必要ありません。運動すら義務付けてはいません。しかし、先住民食を実践するだけで、十分かつ非常に素晴らしい健康効果が得られます。
一方で先住民食は、いかなる病気の治療や改善を目的にはしていませんし、そのための食事法では全くありません。良く聞かれることに、「先住民食は糖質制限やケトジェニック・ダイエット、原始人食などとどう違うのか?」というのがありますが、先住民食は純粋な“予防食”であるのに対し、他の食事法は病気の治療や改善を目的にしていること、すなわち、代替医療としての“治療食”であるという事が、最大の違いです。しかし先住民食でダイエットに成功しただとか、血圧が下がったとか、糖尿病が改善したとかいう声も聞かれますが、それはあくまで結果としてそうなったというだけで、そういった治療効果を目的にしてはいないのです。
僕自身、先住民食によって特定難病疾患である潰瘍性大腸炎が完治しましたが、これもまた結果的にそうなっただけであり、他の潰瘍性大腸炎患者に先住民食で潰瘍性大腸炎が治ると考えてもらいたくはありません。あくまで先住民食は予防食ですから、治療目的での実践は推奨しません。ただ、疾患の原因を除去することには意義があると考えますし、原因除去としての先住民食の実践であれば大いに結構であると考えます。
僕は疾患の治療において、西洋医学も代替医療も同じ穴のムジナであり、どちらも患者をカモにして金儲けしているだけに過ぎないと考えています。これは僕の日常業務である、歯科診療も含めてそうだと考えていますし、そこに本当の救いはありません。人間本来の健康を得るための先住民食は、代替医療としての食事法とは厳密に区別されるべきだと考えていますし、代替医療ではない、純粋な予防のための食事法というのは、僕の知るかぎり先住民食以外には存在しないと考えています。
投稿日:2016年2月22日 カテゴリー:予防歯科, 院長ブログ