*この記事は2015年6月のFacebookの記事です。
昨日の歯科検診の記事には、多くの人が興味を持っていただいたようです。歯医者の常識
、世の中の非常識というのは、挙げればきりがありません。
もちろん、むし歯でない歯をむし歯とし、歯を削るなんて言語道断ですし、決してあってはなりません。しかしながら、歯医者だって商売です。きれいごとばかりじゃ飯は食っていけません。
保険診療を行っている歯医者なら、保険のルールを守らねばなりません。そして保険のルールこそが、あってはならないむし歯の捏造を引き起こす大きな原因となっているのです。保険診療がむし歯を捏造する理由を説明します。
まず、保険診療においては、疾病に対する給付という大前提があります。このことから、定期検診の禁止、および傾向診療の禁止が定められています。
定期検診の禁止とは、そのものズバリ、検診を保険で行ってはいけないということ。逆にいうと、保険診療を行うためには、何らかの疾患の治療を行う必要があるのです。
ですから患者がむし歯の治療を希望して来院したとしても、検診の結果むし歯が無いので治療の必要なし、としてしまうと、初診料すら一切請求できなくなってしまいます。歯医者が口の中を診るのだって、サービスで行っているわけではありません。時間を取って、基本セットを使って診査したり、レントゲン撮影などを行うなどの一切の行為が全て無料では、歯医者はやってられないのも当然です。
ならば、治療したことにして保険請求して、実際は歯を削らないで終わらせたらどうでしょう?そう、これはれっきとした詐欺行為ですね。最近では、保険を使用した履歴が定期的に被保険者の元に送られるようになっていますから、治療していないのに治療したことになっていれば、被保険者にバレてしまいます。
結局、保険医療機関に「検診でむし歯が見つかったから、治療して欲しい」という患者が来たら、むし歯が無くても治療しておくのが無難なのです。それが誰にとっても問題にならないやり方なのですから。
僕はこういったことも含めて、今の日本の保険制度がひどすぎるから、保険医療機関を辞退し、予防歯科専門クリニックを立ち上げました。保険診療の歯医者にかかっておきながら、そこでの扱いに文句を言う患者だって、僕からすれば同じ穴のムジナであり、人を批判する権利はありません。保険診療は人を救うシステムには決してなってはいません。にもかかわらず、保険で歯科にかかっておきながら、文句を言うんじゃないって僕は思いますけどね。