医療法人社団楡樹会 稲毛エルム歯科クリニック

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〇〇を食べるとガンになる


つい最近も、ハムやベーコン、ランチョンミートなどの加工肉を食べると、ガンになるリスクが18%も上がるという話がWHOから出ました。もうね、こんなペテンに引っかかる人ってまだいるんだ、というくらいの感想しかありませんね、僕の場合。

〇〇を食べるとガンになるっていう研究は、主に二つの研究で述べられます。一つは動物実験。動物実験といっても、動物は普通ガンになりませんから、実験には特別ガンになりやすい遺伝子を持った動物か、または強力な発ガン物質を与えた動物を使います。もう、この時点で普通じゃ無さ過ぎって気づくでしょ?

しかもガンには明確な定義が無く、顕微鏡で細胞を観察して、「これはガンっぽいな」とか、「いや、これはガンじゃないだろう」とか、けっこう適当な判断で決められています。そのため観察者によって判定が変わるなんてことは良くあることで、研究者ならみんな知っています

もう一つは疫学研究で、研究対象は人間です。人間に発ガン性があると分かっている食べ物を大量に食べさせることは人道的にできませんから、こういった研究はガンの多いグループと少ないグループとの比較研究になります。しかし、ガンの多いグループと少ないグループでは、特定の食べ物以外でも、住んでいる環境や所得差、喫煙率や食べ物の嗜好など、多くの違いがあります。

もちろん既知のガンのリスク要因は計算されていますが、未知のリスク要因、例えば糖質(特に甘い物)の摂取などは、ガンのリスク要因とは考えられておらず、計算には組み込まれません。

そもそもガンは文明病であり、先進国でもここ最近になって急増している疾患です。ですから発展途上国の貧しい地域には、ガン患者自体が大変少なく、こういった地域の人との比較では、あまりに生活が違いすぎるため参考になりません。こういった研究の代表例が、チャイナレポートです。

このように特定の食べ物とガンのリスクを見極めることは、実際には非常に困難であり、逆にいえば恣意的な理屈付けをされがちです。要は、結論ありきで特定の食べ物をスケープゴートにするような研究に陥りがちだということです。

単純に特定の食べ物の摂取量とガンの発症率が比例するとしても、それは単に相関関係が示されただけであり、因果関係を示すものではあません。例えば歯磨きとむし歯の発症率を考えてみましょう。先住民族は歯磨きを行わず、むし歯もありません。先進諸国の住民は皆歯磨きしますが、むし歯の罹患率が非常に高くなっています。

これだけみれば、「歯磨きはむし歯のリスクを高める」と結論づけられます。でもそれって正しいの?ちょっと考えれば、これが正しくないことは分かりますよね?正確には、歯磨きはむし歯とは関係が無い、しかし、むし歯になる人が多い社会ほど、なぜか歯磨きしたがる人が増える、というだけに過ぎません。

1988年に北欧の学術誌に発表された論文によれば、塗装業者のIQが平均よりも低いという研究結果が示されました。研究者はこの結果から、塗装業者が使う塗料の揮発成分に、IQを低下させる作用があると結論づけました。しかし後に他の研究者たちは、単に塗装工のような薄給で重労働な仕事には、IQの高い人は就きたがらないから、という結論に落ち着きました。

このように、科学的な学術誌に発表される論文だからといって、真に科学的かといえばそうでもなく、恣意的に結論づけるために屁理屈をこねくり回しているようなものも少なくないのです。ところが日本人はとりわけ権威に弱く、偉い学者の発表だとなると、無批判に信用したがります。僕からすれば、バカ丸出しで恥ずかしいですから、皆さんもネットでこのような記事を見かけたときには、うっかりシェアすることで自分の低能さ加減をさらすことの無いよう、気をつけましょうね。


投稿日:2018年10月2日  カテゴリー:予防歯科, 院長ブログ

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