食事指導をしていると、家族が理解してくれないという声をよく聞きます。女性であれば
夫が、男性であれば妻が理解してくれないというパターンが多いです。親と同居している
場合、祖父母が理解してくれないということもよくあります。これに対し、子どもは親の
言うことを少なくとも小学生くらいまではよく聞くようです。
近しい人ほど理解してくれないということは、本当によくあることです。何といっても、僕の親も先住民食を受け入れませんから。それでも理解してもらい、受け入れてもらうためにはどうすればよいでしょう。
大切なのは、相手の気持ちになって考えることでしょう。食事のことでパートナーと揉めたとしたら、パートナーからすれば、あなたと揉めてでも受け入れたくないと考えているということです。これは相手にとってはよっぽどなことなのです。誰だって好き好んでケンカしたり、いがみあったりしたいはずありませんから。そうしてまでも受け入れたくないと、相手が考えているということをまずは理解しましょう。
どうしてそこまで拒絶するのか、先住民食を例にすると、
・甘い物中毒や糖質中毒(白米中毒)状態であり、依存から抜け出せない
・説明が足りないため、理解できない
・相手に反発したいため、はなから受け入れたくない
という場合があります。
まず、甘い物依存の場合、麻薬中毒者と同じだと考えてください。簡単にやめられるならば、麻薬ではありません。砂糖はコカインと同等か、あるいはそれ以上の依存性を持つれっきとした麻薬です。ですから言葉で説明したくらいで簡単にやめるはずがないということを理解しましょう。
依存症患者は専門のカウンセラーか更生施設で離脱させるのがベターです。いずれにせよ、話し合いだけで簡単に解決できないということは理解すべきでしょう。
次に説明が足りない場合ですが、これは説明が足りないために受け入れられないのですから、丁寧に説明してあげるといいでしょう。相手に理解できるように説明することは案外難しいものです。自分の理解があいまいだと、相手に正しく説明できません。そういう場合には、自分もきちんと基礎からしっかりと勉強をして、相手に分かりやすく、かつ簡潔に説明してあげましょう。
最後に反発したいだけの場合ですが、これが意外と多いのです。頭ごなしに相手に押しつけても、反発されるのは当然です。自分だって何かを強制されたら、反発するでしょう?相手の気持ちになって考えなければなりません。何が問題なのか、どうして受け入れられないのか、冷静に話し合ってみましょう。
食事法を人に受け入れさせるときには、決して押しつけないこと。こうした方が良いと僕は(私は)思う、くらいにとどめておいて、相手が興味を持ったら詳しく教えてあげるようにすることが、相手に受け入れさせるコツだと僕は考えます。