医療法人社団楡樹会 稲毛エルム歯科クリニック

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穀物は家畜のエサ②


穀物を人間が食べるようになったのはいつからかというのは重要な問いですが、同様に重要な問いに、「なぜ現生人類は穀物を食べるようになったのか」ということがあります。現在の我々の食生活から考えれば、穀物を食べることは当たり前のことですが、1万年前の人類にとっては当たり前のことではありませんでした。

人類の進化の歴史を振り返ってみれば、ヒト属として最初に現れたとされるホモ・ハビリス(原人)は、道具を用いて狩猟を行い、火を用いて調理することで脳の飛躍的な進化を促し、ホモ・エレクトゥスへと進化したとされています。さらにハイデルベルク人、ネアンデルタール人、デニソワ人といった旧人や、現生人類へと進化していく過程において、肉食中心の食生活となったことが考古学的調査から分かっています。

特にネアンデルタール人やデニソワ人は現生人類と同時期に生息していたことが分かっており、近年の分子生物学の進歩によってネアンデルタール人のDNA全塩基配列やデニソワ人のDNA全塩基配列が解明されたことにより、現生人類はネアンデルタール人やデニソワ人と交雑したことも示されています。

しかしながら、ネアンデルタール人やデニソワ人は現生人類と接触して間もなく、4万年前ごろには絶滅してしまいました。一説には地球規模の大きな気候変動が起こったためとされていますが、それ以前に何十万年もの間生き延びてきた旧人が、単なる気候変動だけで絶滅するとは考えられません。現生人類との接触こそが、絶滅の大きな要因であったと考えるべきでしょう。

現生人類はなぜネアンデルタール人やデニソワ人を絶滅させたのか、これはパット・シップマンによれば、食性が同じだったため、同じ食料を奪い合った結果であるとみています。ネアンデルタール人やデニソワ人同様、現生人類もまた、20万年前の誕生から少なくとも4万年前までは、肉食だったのです。

確かに現生人類は食料選択の多様性を持ち、救荒食物を利用するという点で旧人よりも優れていたと考えられています。しかしながら、解剖学的特徴から考えると、この理論には大きな疑問が浮かびます。

というのも、原人へと進化する以前の猿人(アウストラロピテクス)の食料は、ヒト属以降よりもずっと植物性食品が多かったと考えられているからです。猿人からさらに植物性食品に特化していったのがパラントロプスと呼ばれる頑丈型猿人であり、一方のホモ・ハビリスへと進化した人族の祖先は、肉食へとシフトして行った結果であるというのが現在までの一般的な解釈です。

ヒト属は脳容量を大きくしていった反面、腸管の長さを短くしていきました。これがいわゆる「脳・腸トレードオフ」です。諸説あるものの、現在まで29種いたとされるヒト属のうち、脳の大きさが最大だったのは現生人類ではなく、ネアンデルタール人でした。

ネアンデルタール人は現生人類よりも身長こそ低かったのですが、大きな脳を持ち、筋肉質でがっしりとした体格で、現生人類よりも体重が重かったとされています。強力な筋力で大きな獲物を集団で狩ることができたとされています。

ただし、体重における脳重量の比でみると、現生人類の脳が一番大きな比となります。現生人類は脳を発達させたがゆえに、体格が華奢であるにもかかわらず、ネアンデルタール人より効率的に狩猟を行うことができたのでした。

続きは次回に。


投稿日:2019年6月4日  カテゴリー:ブログ, 院長ブログ

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