医療法人社団楡樹会 稲毛エルム歯科クリニック

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穀物は家畜のエサ④


20万年前にアフリカに誕生した現生人類は、5万年前にアフリカとレヴァントからユーラシア大陸に広がっていき、ユーラシア大陸で出会ったタイリクオオカミを家畜化することで、一気に最強捕食者となってヨーロッパやユーラシア大陸を制覇していきました。

4万年前にはネアンデルタール人やデニソワ人を絶滅させた現生人類は、マンモスやケブカサイなどの大型哺乳類を好んで狩猟しましたが、やがて3万2千年までにはこれら大型哺乳類をも絶滅させてしまいます。

大型哺乳類絶滅後は、エルクやムース、オーロックスといった中型の哺乳類や、ノウマ、ジャコウウシ、イノシシ、アイベックスといった、中小型の哺乳類を狩猟対象とするようになります。特にエルク、ムース、オーロックスなどの群れを成す性質を持つ反芻草食動物を好んで狩猟していました。すでにイヌを家畜としていた現生人類は、群れを成す反芻草食動物を管理し、計画的に肉を得るようになっていただろうと考えられています。これはトナカイ遊牧民のネネツ族や、北米大平原部でバッファローを管理していたインディアンのような遊牧生活の始まりです。

ちなみにこの時までも、現生人類はエンマーコムギが自生しているのを見ていたでしょうし、ネアンデルタール人やデニソワ人もまた、エンマーコムギを知っていたでしょう。しかしながら、栽培化して食料とすることはありませんでした。なぜなら、現生人類をはじめとするヒト属は肉食だったからです。

ですから1万1千年前に起こった更新世の終わりと完新世の始まりによる急激な気候の変化によって、肥沃三日月地帯にエンマーコムギの自生地帯が広がっていたのを現生人類が「初めて」発見したわけでは決してないのです。しかしながら、1万年前の人類はそれまでどのヒト属も現生人類の祖先も行わなかったエンマーコムギの栽培を始めます。その理由は何なのか、それが知りたいのです。

残念ながら明確な理由はいまだに分かっていませんが、有力な証拠から僕の考えている仮説はこうです。ちなみにこの仮説は僕だけの考えではありませんので、悪しからず。

気候の変化によって環境が変わると、現生人類は環境の変化に合わせて移動したか、もしくは家畜の種類を変えたのでしょう。気候が温暖化し、乾燥した肥沃三日月地帯においては、それまでのシカ科の動物から、野生ムフロンや野生アルガリが生息するようになりました。また、オーロックスもその数を増やしたことでしょう。

現生人類が肥沃三日月地帯で野生ムフロンや野生アルガリを家畜化した事が、次の段階につながります。現生人類が家畜化した野生ムフロンは、家畜化してからはヤギと呼ばれるようになりました。また、野生アルガリは家畜化後、ヒツジと呼ばれました。

ヤギやヒツジを家畜化した現生人類は、今までの家畜では得られなかった大きなメリットが、これら家畜に備わっていることに気がつきました。それは、「乳」です。1万年前に現生人類に起こった大きな変化は小麦の栽培化だけではありません。実はもう一つ、家畜のミルクを利用するようになったのです。家畜のミルクを利用することが人類に与えた影響について、次回説明していきます。


投稿日:2019年6月4日  カテゴリー:ブログ, 院長ブログ

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