FBを何となく眺めていたら、とある人が歯医者に通院中だと投稿していました。どうや
ら抜歯が必要な歯があるらしく、なぜそうなったのかというと、歯医者の説明によれば、
「歯ぎしりや食いしばりのせいで歯がダメになった」ということのようです。
僕、歯医者になって17年以上患者の口の中を見てきて、歯ぎしりや食いしばりが原因で抜歯が必要になった歯というのを見たことありませんけど。そんな訳あるか!って突っ込みたくなりましたが、不必要に患者と歯医者との信頼関係を壊すのもどうかと思い、そのままそっとしておきました。
基本的に歯や歯を支える歯周組織が健康なら、歯ぎしりや食いしばりなどで歯がダメになることなんてありません。過度の歯ぎしりや食いしばりで歯が割れるということはありますが、その場合は病的な歯ぎしりや食いしばりがあったということです。そういう場合には、病的な歯ぎしりや食いしばりの原因を知り、それを取り除くことこそがまず為されるべきでしょう。
同様に歯並び、咬み合わせが原因で歯がダメになるということもありません。しかし、歯並び、咬み合わせが悪くなる原因というものは存在します。ということは、歯並び、咬み合わせが悪くなる原因が、歯をダメにもする、ということはあるのです。咬み合わせが全身の不調の根本原因だ!なんて言う歯医者は、サギ歯医者の典型ですが、皆さんの周りでこんなサギ歯医者はいませんか?
似たパターンで、歯周病が全身の不調や疾患の根本原因だった!なんて言う歯医者もまた、サギ歯医者の典型ですね。歯周病の原因が歯周病以外の全身的なさまざまな疾患の原因にもなっているというだけですから。
結局みんな、口腔内の疾患の根本原因を知らないから、サギ歯医者に騙されるのです。だから僕は常日頃から、むし歯、歯周病、不正咬合などの口腔疾患の根本原因と正しい予防法を発信しているのですが、なかなか皆さんに理解してもらえてはいないようです。そしてまた、口腔疾患の根本原因を知らないことがサギ歯医者が成り立つ土壌を作り上げているのですから、知らないことは罪だと思っていただきたいと思います。