医療法人社団楡樹会 稲毛エルム歯科クリニック

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穀物は家畜のエサ⑥


思ったよりも長くなりましたが、今の人類の生活を知るうえで重要なことだと僕は思うので、もう少しおつきあいください。

さて、ヤギやヒツジを家畜化した人間は、エンマーコムギを家畜のエサとして利用することでさらなる生産性向上が得られることに気がつきました。そこでおそらく人間は、ヤギやヒツジの放牧地を広げ、エンマーコムギの栽培を増加させようとしたのでしょう。きっとこれが、人類が農耕を始めたそもそものきっかけであると、僕は考えます。

ヤギやヒツジをエンマーコムギで飼育する放牧スタイルを確立した人間は、その生産性の高さから他の狩猟採集民族や遊牧民族に対し、有意な立場に立つことができたと考えられます。やがてヤギやヒツジの遊牧民族は、勢力範囲を広げていく中で、他の民族との衝突を起こすようになったことでしょう。しかしそこは数の上で優位に立つヤギ・ヒツジ遊牧民族です。他の狩猟民族や遊牧民族との戦争に勝ち、彼らを次々と奴隷化しては、領地を広げていったことでしょう。

さてここで、ヤギ・ヒツジ遊牧民族はその勢力範囲を広げるうちに、他民族を制圧し、彼らを奴隷化したと書きました。人間の役に立つために飼育される使役動物を家畜と呼ぶのであれば、奴隷とは人間の家畜化に他なりません。ヤギ・ヒツジ遊牧民族は、さらに人間を新たな家畜としたのです。

ヤギ・ヒツジ遊牧民族は貴重な食料資源を家畜に与えるとは思えません。かつて人類が最初に家畜化したイヌも、人間とは違う食べ物を食べていました。当時人間は脂肪をたっぷり持っていたマンモスを主要な食料源としていたのに対し、彼らが飼っていた犬はシカを主な食料としていたことが、炭素と窒素の安定同位体分析によって分かっています。同じ肉食動物である人間とイヌは、肉は肉でも同じ肉は食べていなかったということです。

ヤギ・ヒツジ遊牧民族は人間を家畜化するに当たり、貴重な食料である肉や乳製品を与えず、その代わりに豊富にあるエンマーコムギを加熱調理して奴隷に与えたのでした。これが人間が穀物を食べるようになった最初であると、僕は考えます。

農耕社会には必ず支配層と被支配層が存在し、被支配層である農奴(奴隷、人家畜)は、農耕社会成立初期から日々の食料の過半数~9割も植物性食品、穀物中心の食生活を送っていたと考えられています。これは現生人類の進化の歴史からすれば異常であると考えざるを得ません。が、しかし、人間が家畜化されていたのだとすれば、穀物は家畜のエサなのですから理解できるようになります。

やがてヤギ・ヒツジ遊牧民族は乳用動物を飼育し、遊牧生活をメインとする集団と、人家畜(奴隷)飼育をメインとする集団に分かれました。後者が文明社会を構築し、原初国家を作っていった集団なのでしょう。

人家畜を飼育するといっても、人類は地上最強の捕食者であり、高度な知能を持ち、凶暴で凶悪な生物です。このようなおよそ飼育には向かない動物を飼育するには、高度な飼育テクニックが必要です。特に人間は知能が高いので、知能をコントロールする必要があります。そこで生み出された奴隷管理法、人家畜のコントロール法が、宗教です。実際、自然崇拝とは別の宗教と呼ばれるものが生み出されたのは全て農耕文明においてであり、農耕文明においては宗教が、教義の内容が何であれ、強力に民衆をコントロールするツールとして用いられていました。

農耕文明が非常に高度になり、成熟した現代社会においては、人家畜のコントロール術もまた成熟し、あらゆる場面で用いられています。しかしそのルーツはヒトを家畜化したところから始まり、肉食動物の食性を劇的に変化させ、支配者に従順な良い家畜にするための精神支配術(マインドコントロール)としての宗教の発明が、穀物によってもたらされたというのは、非常に面白いと僕は思います。


投稿日:2019年6月4日  カテゴリー:ブログ, 院長ブログ

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