当クリニックには、色々な悩みを抱えた患者さんが来ます。お口の中の金属を外したいと
いう患者も時々来ます。
そういう患者になぜ金属を外したいのか?と尋ねると、大抵は「口の中に金属を入れ(られ)てから、体調が悪くなった」と訴えます。中には、金属が口の中にあると、電磁波の関係で良くないからなんて真顔で言う患者もいます。電磁波の事は僕も良く分かりませんので、あーそうと、適当に流します。
電磁波はともかく、口の中に金属を入れたら体調が悪くなったという人の大半は、金属が体調不良の原因ではありません。口の中の金属で体調不良が起こるのは、きわめて稀です。ただし、水銀が入っているアマルガムは、毒性が高いため除去をお勧めしています。
そもそも口の中に金属があるということは、むし歯の治療で歯に詰め物や被せ物をしたということ。むし歯の治療をしたということは、むし歯になるような食生活を長年してきたということに過ぎません。歯にむし歯を作るような食生活は、口の中だけを腐らせるわけではありません。当然全身も精神も腐らせます。
ですから口の中に金属を入れてから体調が悪くなったという人は、むし歯になるような食生活が原因で体調が悪くなっている場合がほとんどです。ですから当クリニックでは、予防歯科の食事指導を行ってまずは様子を見てもらい、それでも体調不良が改善しない場合のみ、金属を外してセラミックに変える処置を行います。
今のところ食生活の改善を厳密に実践した患者で、体調不良が改善しなかった例はありません。ですので結局金属はそのままですが、問題無く生活されています。
歯医者の中には口の中の金属がいかに危険で問題があるか、患者に吹き込む輩もいます。でもそれって結局保険の効かないセラミックの治療を受けさせるための口実であり、要はサギです。歯科の世界はサギだらけ。そんな輩にぼったくられ無いようにするためにも、予防歯科と食の正しい知識を身につけるべきでしょう。