医療法人社団楡樹会 稲毛エルム歯科クリニック

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クエン酸と乳酸


何でも、クエン酸が万病に効くとか言われているみたいですね。柑橘系の果物が酸っぱいのは、クエン酸が豊富に含まれているからです。また、梅干しが酸っぱいのもクエン酸ですね。でもなぜクエン酸が体に良いとされるのでしょうか。

ブドウ糖は体の中でエネルギー源として働くことはよく知られています。でもこれは詳しく見てみると、二つの経路からエネルギーを産生しています。

エネルギー産生の第一の経路は、細胞内で行われる「解糖系」と呼ばれる経路です。エネルギーの共通通貨である、ATP(アデノシン三リン酸)を2つ作ります。これは酸素を必要としないATP産生であり、ガン細胞ではメインのエネルギー産生となります。

解糖系によって2ATPとピルビン酸が作られます。このピルビン酸はアセチルCoAとなり、クエン酸となって細胞内にあるミトコンドリアに入ります。ミトコンドリア内では第二の経路であるクエン酸回路(TCAサイクル)によって、クエン酸からさらにATPが産生されますが、これは酸素を必要とします。アセチルCoAから12個のATPを作り出すことができるので、非常に効率が良いのです。

一方で、解糖系によって作られたピルビン酸がクエン酸に変換されないと、ピルビン酸は乳酸となってしまいます。乳酸はミトコンドリアに入ることができないため、組織に蓄積してしまいます。ピルビン酸からクエン酸への変換には、ビタミンB1、ビタミンB2、パントテン酸、ナイアシンが必要なので、これらが欠乏すると、乳酸の移行が進むとともに、ミトコンドリアが上手く働けなくなります。

というわけで、クエン酸を摂ると、いきなりミトコンドリアのクエン酸回路からATP産生ができ、またピルビン酸を通らないので乳酸が作られません。そしてまた、ガン細胞では通常ミトコンドリアが上手く働けませんから、ガン細胞に利用されることは無いというわけですね。

でも、通常の食生活で糖質を控え、肉や魚をたくさん取っていれば、ナイアシンも豊富に摂れますし、ミトコンドリアでのエネルギー産生も効率よく行えます。ですからことさらにクエン酸をたくさん摂る必要はないと、僕は思いますよ。


投稿日:2015年9月1日  カテゴリー:予防歯科, 院長ブログ

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