非常に稀です。これは主に二つの理由が考えられます。
一つは歯科用金属によって何らかの問題が起こっても、歯科用金属との因果関係が証明されないケースが多いということ。これはワクチンや放射能の問題と似ていますね。「微量ではただちに健康上の問題は起こらない」とか、「病気との因果関係は証明できない」とか、良く聞くセリフです。
身体の中に異物を入れておくことが安全であるとはとてもいい難く、入れないに越したことはありません。そして今日これだけ社会に毒が蔓延しているなら、もはや病気の原因が何なのか、怪しい物が多すぎて良く分からないのも無理はありません。…
そしてもう一つが歯科用金属は実際に安全性が高く、滅多に問題を起こさないであろうということ。これはあまりに楽観的な考えです。しかし、確かに歯科用の金属の多くは問題を頻繁に起こしているわけではないようです。
これは、歯科用金属は安定性が高く、口腔内でイオン化し、遊離する金属成分が少ないことが挙げられます。だからこそ、人体に対し高い毒性を持つ金属であるパラジウムでさえ、歯科用金属として用いられても、パラジウム特有の毒性を示さないことが多いのでしょう。もちろん、だから歯科用金属にパラジウムを用いて良いということにはなりません。僕は現在臨床では全くパラジウムは用いていませんが、保険で使用される12%金銀パラジウム合金という合金は、パラジウムを相当量含んでいます。
ところが歯科で用いられている金属で、極めて危険な金属があります。それは、「水銀」です。
水銀は、歯科ではアマルガム合金として用いられています。アマルガム合金とは、銀、スズ、銅、亜鉛などの金属の粉末と、歯科用水銀(歯科用といっても実際は単なる水銀)を、ほぼ50%ずつ混ぜ合わせ、固めたものです。使用直前に混合し、口腔内に詰めた後に固まります。かつては簡便で物性も良く、また充填した部位が二次う蝕になりにくいということも有って、世界中で広く使われていました。
しかし、現在アマルガムが歯科で用いられている国は、主要先進国では日本とアメリカのみです。他の国では水銀の危険性によって使用が禁止されています。ではなぜアマルガムは危険なのでしょうか。
歯科用金属が問題となる場合、金属がイオン化して体内に取り込まれることが原因となりますが、水銀はそもそも、非常に揮発しやすい金属です。ですからイオン化せずとも揮発して、水銀蒸気となって体内に取り込まれます。アマルガムによる水銀の体内取り込みが、他の歯科用金属とはケタ違いに多いのはこのためです。
ちなみに日本歯科医師会も、厚生労働省も、歯科用アマルガムによる健康被害は因果関係が証明できないとして認めていません。そして医者も歯医者も製薬会社も厚生労働省も疾病利権であり、世の中に病気が蔓延すればするほど利益を得る人たちです。そのような利権側の人間たちが、患者の身に立って行動するはずもありません。
君子危うきに近よらず、患者の不利益となるような行動はいかなることも行うべきではない、そう考えるなら、もはや日本の保険医療制度に何も望むことはできません。それでも保険医療を選ぶのならば、後で泣きをみても僕は一切知りませんよ。