コレステロール値が高いと、心疾患や脳血管障害を引き起こしやすいとされ、コレステロールの摂取を控えるとともに、コレステロールを下げる薬を飲むよう、医師に指導されます。コレステロールは動物性食品のみに含まれますから、必然的にコレステロールを控えることは、動物性食品を控えることになります。また、コレステロール値を低下させる薬として、スタチン製剤があります。
コレステロール値が高いことと、心疾患や脳血管障害の発症リスクの上昇とは、相関関係にあります。しかしこれは、あくまでコホート研究によって示された相関関係であって、因果関係ではありません。すなわち、コレステロールが心疾患や脳血管障害を発症“させる”わけではありません。
心疾患や脳血管障害の発症リスクには、高血圧も関係しています。そして高血圧が起こる主な原因として、アテローム性動脈硬化があります。このアテロームに豊富にコレステロールが含まれること、血中コレステロール値が高いことと心疾患や脳血管障害の発症リスクの上昇とに相関関係があることは事実です。
では、なぜアテローム性動脈硬化が起こるのでしょう。近年分かってきたアテローム性動脈硬化の発症メカニズムとは、こういうものです。
・血管内皮細胞の糖化による慢性炎症(グルコーススパイクが原因)
・血管内皮細胞の修復のため、肝臓でのコレステロールの合成が増加
・コレステロールが炎症を起こしている血管を修復
・修復中のコレステロールが糖化&酸化(高血糖やグルコーススパイクによる)
・酸化したコレステロールにカルシウムが沈着、石灰化
・動脈が細くなる&硬化する
・末梢に血液が十分送られなくなる
・心臓の拍出量の増加
・高血圧になる
さて、この発症メカニズムの観点から考えて、コレステロールを下げるとどうなるでしょう?そう、炎症を起こしている血管の修復が滞ってしまいますね。その結果、冠動脈性心疾患や脳梗塞の発症リスクは低下しますが、血管が破たんし出血傾向が増加します。また、スタチン製剤には横紋筋融解症という副作用もあるのです。
また、高血圧になり血圧を低下させるとどうなるでしょう。脳などの重要臓器は血流量が低下すると、正常な機能が営めなくなります。長期に血圧を低下させ続けると、認知症の発症リスクが増加するのはそのためです。
コレステロール値が上昇するメカニズム、動脈硬化と高血圧発症のメカニズムが分かれば、対応法も分かります。簡単な話、グルコーススパイクを起こさないようにすることと、高血糖状態を招かないようにすることです。このためにすべき食事法は、糖質制限となります。
それを食生活自体は高糖質で甘い物を摂り続けておいて、コレステロール値が高いから薬で下げましょうなんて、なんて愚かな事でしょう。それでも製薬会社がメディアを使って大々的に宣伝したおかげで、例えばファイザー社が発売しているスタチン製剤であるリピトール(アトルバスタチン)の2010年の売上高は、なんと120億ドルにも達します。何ともボロい商売ですね。
そうやって無知な人間は、医者や製薬会社に金と健康を貢ぎ続けていくのです。そうそう、製薬会社によれば、人間は本来草食動物なのだから、コレステロールを食事から摂る必要は全く無いそうです。マクロビオティックだって、動物性食品はなるべく摂るなって言っているでしょ?えっ、マクロビをアメリカで流行らせたのは、製薬会社だろうって!?そんな、たまたまですよ、たまたま。